できる人は、学力より学ぼうとする力を持つ

「売られたケンカから逃げるの厳禁」等々、先輩のムチャぶりに絶対服従だったヤンキー時代の経験が“恥”の観念を変えた。

(写真中)暗記用の単語本(写真下)教授が方々から要所を抜粋し、まとめた冊子と、政治経済テキスト

普通なら英語のレベルが上がってから留学を考えますよね。自分はヤンキー時代から何事も気合で突破してきましたから、恥ずかしい気持ちが薄かったのでしょうね。「どうせ俺はバカだから」という開き直りがあったので超低レベルでも平気でした。だからできる人に聞くっていうのも全然恥ずかしくありませんでした。むしろ手っ取り早くて効果的なんですよね。

短期留学で英語を学びにきた慶応卒の日本人に貰ったアドバイスは、「もしも自分が教壇に立ったら、後でどうやって説明するかを意識しながら授業を聞く」。最初はノートに書き写し復習したり、授業を録音して文字に起こして、先生が伝えたいことを探りました。すると冒頭で重要なことを言っていたり、だいたい3つの大きなポイントを話していることがわかりました。そのうち「こう表現したほうがもっと伝わりやすい」などと考えるようになり、理解がより深まっていきました。

合格は人生で一番嬉しかった瞬間。報告した電話の向こうで、父の大声が高音で裏返ってました。入学後に出会ったUCの学生たちは、ひと握りの天才以外は、自分と同じく必死で努力していました。よく地頭などと言いますが、どんぐりの背比べ程度の差。本当にできる人が持っているのは「学力」というより「学ぼうとする力」だと思います。現在働いている経営大学院で、こうして得た僕の経験を生かせれば、と考えています。

▼UCバークレー合格への道のり
13歳:中1から警察の世話に(回数不明)
15歳:県立高校進学(偏差値30程度)
19歳:とび職に就く
20歳:専門学校。情報処理の国家試験合格

・電子辞書で漢字&中学の教科書で四則計算を勉強
22歳:IT系上場企業に就職、営業職
23歳:退職し渡米、語学学校入学

・授業+英検3級水準の単語本&文法ドリル
23歳:2年制大学(コミカレ)前期
・一般教養12科目
・単語帳1日1ページ以上、20分後・1時間後に復習
・英語プレゼンのネット動画のフレーズ暗記&音読
23歳:2年制大学(コミカレ)後期
・英語ライティング(大学生が添削)+地理+微積分
・予習&復習20時間超/週
・「逆カレンダー」
・ネット無料動画(基礎教養)
26歳:カリフォルニア大学バークレー校合格!
※鈴木琢也著『バカヤンキーでも死ぬ気でやれば世界の名門大学で戦える。』(ポプラ社刊)を基に編集部作成

ビジネス誌「プレジデント」最新号(2018年7月2日号)の特集「あなたは今、何を学ぶべきか」では、本稿のほか、「1000人調査で判明/これから年収が上がる勉強法」「食べるだけで記憶力と頭の回転のよくなる『食事』」「『頭のいい人』が使っている問題解決ツール ベスト20」など、「学び」をテーマにした記事を詰め込みました。ぜひ誌面をご覧ください。

鈴木琢也(すずき・たくや)
グロービス経営大学院スチューデントオフィス アソシエイト
1986年、神奈川県川崎市生まれ。高校卒業後、とび職、専門学校、IT企業、米国カリフォルニア大学バークレー校を経て現職。
(構成=篠原克周 撮影=石橋素幸)
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