財務省事務次官(58)と日大アメフト部監督(62)の失脚
早いもので、今年も半分近く過ぎたが、これまでに「失脚したおじさん」が何人もいる。今回はそうした人々に認められる共通点を挙げて、分析したい。
2018年、失脚したおじさんの代表格といえば、やはり財務省の福田淳一前事務次官(58)と日大アメフト部の内田正人前監督(62)だろう。
福田氏に関しては、「週刊新潮」(4月12日発売号)がテレビ朝日の女性記者へのセクハラ疑惑を報道。「胸触っていい?」「手縛っていい?」と飲食店で1対1だった女性に発言したとされる音声データも公開された。結局、4月18日に辞任したが、本人は辞任会見でもセクハラ発言を否定した。
一方、内田氏は、日大アメフト部の守備選手が関西学院大学との定期戦(5月6日)で悪質タックルに及んだ問題での対応の遅さなどから「学内外に多大な迷惑をかけた」として、5月30日付で大学の常務理事職を辞任した。タックルした日大の宮川泰介選手(20)は、「監督やコーチから『相手QBを壊してこい、ケガさせてこい』という指示を受けた」と話した。内田氏らは、それを否定したが、関東学生連盟は最も重い「除名」の処分を下した。内田氏は日大では理事長に次ぐ、ナンバー2の立場だった。
▼2人のアラ還「失脚おじさん」の共通点5
この2人には、次のような共通点が認められる。
(1)自己保身
(2)強い特権意識
(3)想像力の欠如
(4)甘い現状認識
(5)自覚の欠如
(1)自己保身
まず、2人とも「たたかれたくない」「責任を取りたくない」という願望が強く、自己保身しか考えていなかったように見える。何よりも自己保身を重視したからこそ、福田氏はセクハラ発言疑惑を繰り返し否定したのだし、内田氏も会見や関学大への回答書で悪質タックルの選手への指示を否定したのだ。
このように否定したのは、2人とも自分の地位、そしてそれに付随する収入や名誉、権力や影響力などを失いたくなかったからだろう。何しろ、福田氏は財務省の事務方トップだったし、内田氏も人事担当の常務理事を務めていて、日大では理事長に次ぐナンバー2の座にあったのだから、その権力も影響力も半端ではなかったはずだ。