看護短大経由の「東大入学の裏ワザ」とは
▼大卒看護師への道
(1)コスパ最強、「看護短大+放送大学」
最近は、大卒看護師も増えている。大卒となるとコストがバカにならないと思うだろうが、コスパ最強の大卒資格取得法がある。それは、「親元から通える看護短大(もしくは専門校)→看護師として働きながら放送大学で単位を追加取得→大卒資格」というルートだ。
看護短大の総学費は公立校ならば0~150万円、私立でも150~300万円程度。さらに看護師業界には「ウチの病院で3年働けば返済免除」のようなヒモ付き奨学金が多数存在する。こうした奨学金を上手に利用しつつ、放送大学を活用して単位取得すれば(最短1年間、20万円程度)、トータル20万円で大卒資格が取得でき、看護師資格もついてくる。へたな文系Fラン大よりも、断然おすすめのコースである。
(2)看護短大から有名大3年次へ編入
「大学入試に失敗して看護学校」という看護学生は、現在でもそれなりに存在する。とはいえ、がっかりするのは早い。看護系大学の中には、看護短大卒業者のために3年次編入コースを有する大学がある。関東圏だと千葉大学・筑波大学、それ以外では北海道大学・京都大学・大阪大学・神戸大学などが3年次編入学を認めている。かつては、「看護短大→東大保健学科3年次編入」という「東大入学の裏ワザ」も存在した。現在フリーの山本舞衣子アナウンサーは、このコースで「看護短大→東大→ミス東大→日本テレビ女子アナ」となった。大学受験のリベンジを果たしただけでなく、花形職業にも就くことができたわけだ。ただ現在では、看護大学そのものが増加しているために、3年次編入コースは縮小傾向にある。
(3)ブランド追及なら、慶應か上智
ブランドとしての大学名を追及するならば、慶應義塾大看護医療学部が最強だろう。神奈川県の湘南藤沢キャンパス内に存在し、出席や実習が厳しいので、都会のキラキラ女子大生的なキャンパスライフは期待できないが、慶應大の他学部に比べ入試が易しいのも事実である。
学部開設が2001年と歴史は浅いが、ヘルスケアサービスをするケアプロの創業者・川添高志氏、衆議院議員の木村弥生氏など、看護師の枠を超えて活躍する人材が目立つ。近年では、看護師が経営者として訪問看護ステーションを独立開業することも可能になったので、今後ここの卒業者がさらに活躍する機会が増えるのではないかと、筆者は予想している。
なお、大学ブランドに加えて都会生活をエンジョイしたい場合は、上智大学(四谷および目白キャンパス)のほうがお勧めである。その他、北海道大学、東北大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学……と看護系の学部や学科を設置する大学は多いので、マメにホームページをチェックしておきたい。
(4)政界進出を目指すなら
日本国内の看護師を束ねるのは日本看護協会という巨大組織で、会員数は約72万人である。関連する政治団体として日本看護連盟があり、自民党に強い影響力を持っている。南野知恵子元法相など看護師出身の国会議員や地方議員を多数輩出している。
こういう政治的な出世コースを目指すならば、日本赤十字看護大学、聖路加国際大学、などの看護系大学として長い歴史をもち、同窓会組織のしっかりした大学がお勧めである。国公立では1975年創立の千葉大学看護学部が最古であり、こちらも推薦したい。