デキる人は紹介を「価値の等価交換」という観点でみる

仕事ができる人に共通することは「断るのがうまい」という点です。「あいつは逃げた」とか「薄情だ」と思われずに上手に断る術を熟知しています。

たとえば知人から「仕事である人を紹介してほしい」または「仕事に協力してほしい」との申し出を受けることがあったとします。

しかし、依頼人と自分は親しくもないし、自分のメリットも生まれない。また紹介したとしても自分の大切な知人のほうにはなんのメリットもない。そればかりではなく、紹介した自分の知人に迷惑がかかり、「なんであんな人を紹介したんだよ?」と自分との関係までも壊しかねません。

そんなとき、ただのいい人は「自分を頼ってくれたんだし、期待に応えたい」という思いから、がんばって紹介してしまう場合が非常に多いのです。

一見すると素晴らしい心掛けのように感じますが、これは大変危険なこと。ビジネスにおいて「知り合いだから」「仕事を一緒にしたことがあるから」という理由だけで、引き合わせてはいけません。

「知り合った同士が、お互いに価値の等価交換ができる可能性がある」

紹介を引き受けてよいのはそのようなときだけです。互いのメリットの大きさのバランスがとれていないといけません。

もしバランスが不均衡で、紹介できないときはこうした断り文句を使ってみましょう。

「今先方はすごく忙しくて、なかなか難しいみたいで……」
「実は、その手の取引先とはそこまで親しくないので無理ですね」
「どんな内容なのかをざっくりでもいいので教えてください。それで1回先方に聞いて興味を持ってもらえたらお声掛けします」

紹介に限らず、プラスアルファの作業を断る場合も同じです。