サブリース業者と建設会社が事実上一体のケース
事業計画が頓挫すればサブリース業者も困るはずだ。それなのに、なぜプロであるサブリース業者がずさんな計画で事業を進めるのか。
「じつはサブリース業者と建設会社が事実上一体のケースが少なくありません。オーナーに建物を建てさせた時点で利益が出ているので、サブリース事業はどうでもいいというのが業者の本音。最初から『いざとなれば会社を畳めばいい』と考えている業者もいます」
一枚かんでいると疑惑を持たれているのが銀行だ。
「業者が主導して、虚偽のローン申請をするなどの不正が横行していたとも言われています。融資を増やしたい銀行側も、不正を黙認していた疑いがあります」
事実ならばオーナーは寄ってたかって食い物にされたことになる。ただ、だからといって「オーナーを法的に保護せよ」といかないところに、この問題の難しさがある。
トラブルのもとになっているのが金融商品ならば、金融商品販売法などで、業者に対しては強い規制がかけられている。しかし、サブリースは不動産の賃貸契約。適用される借地借家法は借主(この問題ならサブリース業者)を保護する意味合いが強く、貸主であるオーナーの役に立たない。
「オーナーは事業者であり、消費者ではないという自覚を持つことが大切。サブリースに手を出すなら、契約の前に経営者の目線で事業計画や契約内容をしっかり精査してください」
(答えていただいた人=弁護士 日比野 大 写真=iStock.com)