48歳長男が90歳まで生きるのに8000万円必要

◆父親の生涯必要な生活費を計算する

現状の生活費から、父親があと10年間、90歳まで老人ホームで暮らした場合、必要な生活費は計2220万円となり、父親自身が持つ預貯金(2500万円)でカバーできることがわかりました。

◆長男の生涯必要な生活費を計算する

長男は、現在、長女から毎月14万円の仕送りを受けて、雑居ビルの一室で生活しています。食事は、自炊ができず、ほとんどコンビニのお弁当や外食です。支出の内訳は不明ですが、おそらく5万円程度は、何らかの買い物に消えていると思われます。ビルを売却して引っ越した場合、近隣の家賃相場は共益費込みで6万円のため、毎月の生活費は20万円程度になります。

長男の生活費は、これから42年間、90歳まで生きたとして試算すると、実に6800万円が必要だということがわかりました。さらに、障害年金(現在、年間77万9300円)の支給額が減額されたり、将来、介護状態になったりした場合の備えとして、それぞれ500万円を上乗せすると、約8000万円が必要です。

一般的な家庭であれば、とうてい捻出できない金額です。しかし、この家族の場合、老朽が激しいとはいえ、雑居ビルを所有しているという強みがありました。

仮に雑居ビルを売却した場合、税金や諸費用などを差し引いた手取りは、概算で6500万円程度です。また、これまで、ほとんど手をつけずに貯めてきた長男の障害年金が2000万円ほどあるため、雑居ビルを売却した場合でも、長男の生活資金は確保できることがわかりました。