4年前、自宅近くの神奈川・葉山のレストランを買い取った。風呂を増設するなどの改装をほどこし、料理専門の“隠れ家”をつくってしまった。

「週末は泊まり込みで料理ざんまいですよ。家族や近所の皆さんに腕を振るっています。仕事では不特定多数の顧客を楽しませることに全身全霊を注ぐ。そのかわり、オフは100%自分自身が楽しむことを考えています」

オンとオフにきっちり線を引くのが上野スタイル。だが、仕事と料理には意外な共通点もあるのだという。キーワードは「同時進行」。週末は鍋ごとに異なる料理を、会社では事業部ごとに異なる商品を、同じタイミング(池谷's EYE【D】)で一気に仕込みから完成へ導いていく。

「人気のキャラクターや旬の食材を“活き”のいいうちに手際よく“料理”して最もおいしく仕上げ、お客様に召し上がっていただくのが僕の最上の喜びです」

まさにサービス精神の塊。上野さんが考案したメニューが社食に登場したり、社内報に上野さん直伝のレシピコーナーを設けたりするなど、その精神は社員に向けても発揮されている。その茶目っ気は経営にも生かされているのだろう。

池谷'sEYE

【C】道具を揃えるなど形から入り、週末は料理人に「なりきる」。成功のイメージを具体的に念じると、やる気が出ますし、また達成率も高くなります。

【D】料理と脳は、複数の案件や情報をパラレル(並行)に処理する工程が類似しています。「仕上がりイメージ」から逆算して段取りを組むなど、クリエーティブな作業です。

(坂本政十賜、市来朋久=撮影)