「おみやげ」を渡して、下一桁をかける
たとえば「14×18=?」を解くとき、日本人はふつう筆算する。紙にペンで書き始める前に、インド人は瞬時に「252」と答えるのだ。筆算だとケアレスミスが起きることもあるが、九九と同じように正しく暗記していれば答えは必ず正解になる。
とはいえ、インド人のように「19×19」まで暗記するのは大変だ。そこで役立つのが「超おみやげ算」である。これを使えば、日本人も「19×19」までを簡単に暗算できるようになる。
「16×19=?」で説明してみよう(図参照)。右の19の1の位の9をおみやげとして左の16に渡すと、「25×10=250」となる。次に、16の1の位の6と、おみやげの9をかけると「6×9=54」。これらを足して「250+54=304」となり、16×19の答えが求められる。
同じ方法で「14×17=?」を暗算してみてほしい。まず、右の17の1の位の7をおみやげとして左の14に渡すと、「21×10=210」となる。14の1の位の4と、おみやげの7をかけ「4×7=28」。これらを足して「210+28=238」となり、14×17の答えが求められるわけだ。
たとえば、営業先でこうした計算をする場面があったとしよう。電卓を使わずパッと答えれば、あなたはデキる人という印象を相手に与えられるだろう。社内の会議や打ち合わせでも同じだ。ビジネスパーソンにとって暗算は強い武器になる。インド人もびっくりするであろう暗算法を、ぜひ身につけていただきたい。
(構成=田之上 信 写真=iStock.com)