「一人作戦会議」と「ポイント制」で行動を変える

MDRTに復帰するためには、セールスにおいて結果を出さねばならない。何がなんでも復帰してみせると覚悟することができたと三木は言う。

「目標を立てることは簡単です。でも、何のためにやるのかがぼやけていると、達成することは難しい。目標は、心の底から達成したいと思えるものでなくてはならないのです。

そこで取り組んだのが生活習慣の改善でした。誰よりも早く出社することで、『自分に勝った』という小さな勝利を感じました。そんな小さな勝ちグセを積み重ねることが意外に効果がありました」

セールスで結果を出し、絶対にMDRT会員となる。そのために三木が実行したことが二つあった。それが「日曜朝の一人作戦会議」と「20ポイント作戦」である。

「『一人作戦会議』とは、毎週日曜朝7時半から10時まで、(1)前週の実績と自分が設定した目標数字との差を確認する、(2)ご契約につながりそうなお客さまの名前をリストアップする、(3)今期の自分の目標との差を埋めるための方法を考える、(4)中・長期の方策を練ってそれを実現させるための方法と行動を考える――というものです。さらに毎月末の作戦会議では、これまでの反省点を書き出し、それに対する行動の修正をかけました」

もうひとつの「20ポイント作戦」とは、各行動にポイントを設定し一日の最後には必ず20ポイントを達成するという、自分で自分を評価するシステムで、行動管理をシステマティックに実施するものである。

三木の場合は、「単なる訪問」は2ポイント、「申し込みにつながる商談」は3ポイント、「申し込み」は4ポイント、「既契約者への電話」は1ポイント、苦手意識のある「商談アポイントの電話」は高めの3ポイントといった具合に設定した。このポイント管理を1カ月も続けると「確実に結果につながる」と三木は言う。

「理想的な一日だと思っても、20ポイントぎりぎり。午後は書類作成に追われ、夜は飲み会が入っているような日なら、20ポイントの半分がいいところです。点数を達成するには、そのための行動管理が必要になります。

やがて慣れてくると、翌日達成できるような『ポイント管理』を前夜のうちにやっておけるようになりました」

実は、これらは三木がオリジナルで編み出したのではなく、どちらもMDRT会員のアイデアである。いいと思ったことは、素直に取り入れる姿勢、これもまたセールスにおいては大切なことなのだ。