主婦は家族に「休暇休息・愛情・リラックス」を無償提供

主婦本人でないとできない活動があるにもかかわらず、とかく平匡を含む世の男たちはこの部分を一切評価せず、「主婦がやって当然のもの」とみなしているのはかなり大きな問題でしょう。

家や車などを代表とする「地位財」にお金を使うよりは、前述した、休息休暇・愛情・健康など「非地位財」にお金を振り向けることが、幸福度を増すということは前回の記事で書きました。

写真=iStock.com/Yagi-Studio

考えてみれば、この非地位財を作り出す主たる担い手こそが主婦、とりわけ専業主婦なのかもしれません。専業主婦の仕事は「自己勘定活動」(自分で生産した生産物を自分で消費するようなタイプの活動)だから、金銭的な報酬を受けませし、GDPに反映するわけでもありません。しかし、専業主婦が家庭内において「休暇・休息、愛情、自由(リラックス)……」といった夫や子供の心身が豊かになるものに貢献する割合はかなり高いと思われます。

たとえば、家族に愛情を注いで健康に良い献立を考えたり、家族の休暇のために旅行プランを立案したり、親族との良好な関係を育んだり、ママとして子供に愛情を注いだりという非地位財の生産は、まさに家にいる時間が長く、家庭のムードメーカーともなりうる専業主婦の得意な分野ではないでしょうか。

▼働く女性や夫は専業主婦にはかなわない

もちろん、専業主婦ではなく働いている女性であっても「非地位財」を作り出す担い手となりえます。でも、あくまで僕個人の考えですが、やはり家庭内の仕事に100%のエネルギーを注ぎ入れる専業主婦にはかなわないのではないでしょうか。フルタイムで働く女性は時間的・精神的にみて、100%の意識を家に向けて、先に挙げた非地位財の生産だけに専念することは難しいと僕は思います。

では、外で働いて稼ぐ男性は「非地位財」を作り出しているでしょうか。これに関しては誤解を恐れずに言えば、「子供の父親であること」以外は、家庭内での力仕事も、家電の配線設定も、日曜大工も、すべてアウトソーシングできるので、「替えのきかない存在」とまでは言えません。僕自身を振り返ってみてもそう感じるのです。と、以上のように考えてみると、「非地位財」の生産者はやはり「専業主婦>夫」だと思います。

「非地位財」は貨幣換算すべきでない、まさにプライスレスな財です。主婦が主導してこれを家庭内でせっせと生産して家族みんなで消費(享受)している以上、収入がないから価値はないと世の中のオジサンが「0評価」するのは明らかに間違っているといえます。

「非地位財」を生産する専業主婦のプライスレスな価値を、現代の貨幣経済どっぷりの世の中で、もう一度見直してもいいのではないでしょうか。

ただし、特に富裕層の夫を持つ主婦の場合は話が少し違ってきます。数億円の価値がある家に無償で住んでいる家賃相当額、さらに海外旅行などのレジャーに使うお金の全額を夫に持ってもらっていることを認識すれば、ドラマのみくりの設定では報酬を請求するつもりが、反対に費用分担を請求されることになると理解しておく必要があるかもしれません。

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