いつの時代でも企業にとって、「ヒット商品」は有り難いものだ。業績の改善につながるのは確実で、企業自身のコーポレート・ブランドの価値が向上するからだ。とりわけ「100年に一度」といわれる歴史的大不況期には有り難さの度合いが違う。厳しい昨今では、このような稀有な商品は企業の「救世主」にさえなるからだ。

本書は、この救世主をつくり上げるための方法を11のケースに基づいて明らかにしている。ただし、いささか斜に構えた切り口で、ではあるが。というのはヒット商品の源泉が「パッと見の魅力、デザインの力だ」と断じているからだ。