PTA活動の負担量を減らすことを最優先すべき

▼最後に

今回、調査を実施した、かんでんCSフォーラムの女性研究プロジェクト・水野啓子氏は次のように提言します。

「PTAの委員・役員を経験した人のうち約6割がPTAの存在自体は必要だと回答していました。女性のライフスタイルが多様化した今、様々な立場の人が活動しやすいようなPTAの形を考えていく必要があるでしょう」

PTA活動は、保護者の善意によって成り立っている活動組織です。それゆえ、働いているか、働いていないかといったといった事情含め、保護者による貢献度合いが人それぞれ異なると、不公平感が生じやすいところに組織運営の難しさがあります。

今回の取材を通じて強く感じたのは、働く女性が増え、忙しい女性も増えるなかで、より多くの人が関われるよう、まずはPTA活動の負担量そのものを減らすことが優先すべきことではないかということです。

実際、一部のPTAでは、「継続する行事・止める行事」を棚卸しして整理した上で、行事の負担の削減をしたり、委員会活動についての質問や連絡を迅速かつ気軽に行えるメールシステムの活用などの効率化を行ったりするところも出てきています。こうした従来の形にこだわらない、時代の変化にあったPTA活動を模索していくことが重要だと思います。

(写真=iStock.com)
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