かつて金融機関の一般職といえば、事務職のみで「寿退社」が常だったが、それは大きく様変わり。今では管理職登用の道もひらけ、現場で指揮を執る女性も現れている。損害保険ジャパン日本興亜が取り組んだ改革とは――。

※本稿は、「プレジデント ウーマン」(2017年10月号)の掲載記事を再編集したものです。

一般職が全員総合職に! 女性たちは営業現場をどう変えたのか
▼損害保険ジャパン日本興亜の現状
・ダイバーシティを企業の成長につなげなくてはならない、という経営側の意思があった。
・事務職中心だった女性の活躍を促す動きが出ていた。

かつて男性中心だった営業畑にも最近は女性の進出が目覚ましい。しかし、いざ女性が営業に出てみると戸惑うことが多いもの。とりわけ男性が営々と築き上げてきた仕事のやり方や慣習が壁になる。

大阪北支店 大阪中央支社 支社長の藤戸章博さん(左)と主任の安井純子さん(右)。営業グッズ片手に御堂筋を闊歩(かっぽ)する。

女性が営業で活躍するためには男性とは違った働き方が必要だ。事務職を営業職に転換するなど、女性営業職を積極的に増やす損害保険ジャパン日本興亜は、2015年12月に女性営業担当だけの組織「リアーズ(reaers)」を設置。目的は「私たちが私たちらしく働く」営業スタイルの実現だ。実現する(realize)と応援する(cheer)を組み合わせて作った言葉。

リアーズのメンバーは、営業現場で活躍したいと手を挙げた全国の女性たち。16年度は174人が営業の悩みや解決法を共有するとともに、女性が活躍できる環境づくりを進め、今年度は50人が5人ずつのグループに分かれてテーマを掲げて活動している。