頑張る気持ちを押し殺していた
ジョブ・チャレンジ制度で成長著しいエリア社員がいる。
04年に地元の富山支店に入社した辻文野さんは今、本店自動車営業第一部第三課に所属している。
業務職として入社するが、最初に「営業店か、事故対応や保険金支払いを扱う保険金サービス課がいいか」と聞かれ、いつかは「営業でバリバリ頑張りたい」と思ったので営業店を選ぶ。
富山支店は支店長の下、「みんなでいい成績を上げていこう」という目標で一致団結し、明るく元気な職場だった。辻さんは書類に目を通し中身を審査する仕事に就く。支店長からは「目標に向けて、どういう方法を取ればいいのかをよく考えながら仕事をしなさい」と、仕事を作業ととらえず、頭を使って進める大切さを教わった。
富山支店で3年半働いた後、「本社で営業現場を支援する仕事に挑戦してみたい」と、ジョブ・チャレンジ制度を使って本社の内勤部門に異動。3年の予定が2年延長し今に至る。最初は事務仕事だったが、2年半が過ぎるころ「エリア社員も営業活動を」との会社方針を受け、営業にも出るようになり、昨年9月から100%営業に切り替わった。
入社時に営業を希望した辻さんでも、いざとなると不安が募った。
「上司から『辻さん、営業やってみない』と背中を押されたものの、不安で、怖かったですね。どちらかというと後ろ向きでした(笑)」
同じ部署に10人ほど女性がいた中で唯一の営業担当。周りから「大変ですね」「私だったら絶対できない」と言われ、余計落ち込んだ。
新しいフィールドに出る勇気が持てない辻さんを見て、鈴木さんが「リアーズに参加してみない」と声をかけた。参加すると辻さんのマインドが一遍に変わった。
「座談会で話す人たちは前向きでキラキラしていました。自分は狭い世界に閉じこもって、自分のチャンスとか、頑張ろうという気持ちを押し殺していたんだなと感じました」
もともと、事務で入った女性たちが営業に尻込みするのは当然だ。リアーズは本人たちが「高い」と怯える心の壁を一気に乗り越えさせる。
●2002年
安田火災海上保険と日産火災海上保険が合併し、損害保険ジャパンに。
●2010年
日本興亜損害保険と経営統合。
コース別人事制度廃止。一般職も基幹業務につくことが可能に。
●2014年
日本興亜損害保険と合併。
社名を損害保険ジャパン日本興亜に。
●2015年
女性活躍企画プロジェクト「reaers」発足。
撮影=伊藤菜々子、鷲崎浩太朗