「十分なメジャースリープが取れず、日中眠くて仕方がないときは、業務効率の低下や事故を避けるためにも昼寝したほうがいいでしょうね」と言う三島さんに、上手な昼寝のとり方を聞いた。
1. できるだけリラックスした姿勢で
筋肉を弛緩(しかん)させ、心臓の負担を少なくするには「横になる」のが理想的。交感神経が優位な状態から副交感神経が優位な状態への移行も促進される。
とはいえ、オフィスで横になれない場合などは、なるべく上半身を倒し、リラックスした姿勢を心がけるといいそうだ。
2. 時間は30分以内に
眠りに入ってから30分以上たつと、深い徐波睡眠に入ってしまうことが多い。起きてすぐに活動しなければならない場合、「深い睡眠」は禁物だ。目が覚めてもボンヤリして、なかなか仕事に集中できない。「眠くてたまらないときは、10分や20分眠るだけで眠気が取れます」という。
一番の問題は昼にハンパな徐波睡眠を取ってしまうと、夜の徐波睡眠が大幅に減ることだ。「間食を食べすぎて夕飯が食べられなくなった状態」みたいなもので、結果的に夜に十分な徐波睡眠が取れなくなってしまうのだ。
3. 直前にコーヒーを飲む
昼寝によって眠気の解消を図る際には、昼寝の前にコーヒーを飲むと、起きた後の頭がスッキリしやすい。コーヒーに含まれるカフェインには、睡眠誘発物質であるアデノシンをブロックする効果がある。しかし、「カフェインの効果が表れるのは、口に入ってから20~30分後」と三島さん。つまり、昼寝の直前に飲んでおくと、寝過ぎを防ぎ、ちょうどいいタイミングで目が覚めるというわけだ。
帰りの電車で眠るのは「最悪」だった
昼寝は時間帯も大切だという。同じ20分眠る場合でも、時間帯が早ければ早いほど、夜のメジャースリープへの影響が少なく、徐波睡眠を減らさないことが分かっている。三島さんによると、「特に午前中の仮眠なら夜の睡眠にほとんど影響しない」という。つまり、昼寝よりも“朝寝”がいい。朝の出社時の通勤電車は睡眠不足を補うにはもってこいの場所ということになる。
一方、帰りの通勤電車で眠るのは最悪だ。