従業員数5000人以上は0.39倍だが、300人未満は6倍

企業の人材獲得競争が熾烈だ。来卒業予定の大学生の就職内定率は2017年10月1日時点で75%超と過去最高。各企業とも早めに内定を出して学生を囲い込もうと必死なのだ。

リーマンショック後に低迷していた大卒の求人倍率は、6年連続上昇。2015年3月卒を境に学生の売り手市場となり、2018年3月卒では1.78。売り手市場が続き、激しい二極化が起きていると指摘するのは、採用コンサルタントの谷出正直氏だ。

「3月卒の求人倍率は、企業の規模ごとでは従業員数5000人以上で0.39倍なのに対し、300人未満では6倍を上回ります。業種別でも金融業は0.19倍と人気ですが、流通業や建設業では10倍前後と大きな差が出ています。年々、その差が拡大し、二極化している。働きやすさや福利厚生の充実を求める最近の学生の気質を反映したものでしょう」

そうはいっても、これでは中小企業にとって学生の確保が覚束ない。

「今や学生からの応募を待つのではなく企業が学生にアプローチをかけて確保すべき時代です。選考を通じて、学生への評価や期待することを伝えること。現場社員との面談など職場の雰囲気をよく知ってもらう機会を設けること。相互理解ができる取り組みが必要でしょう」(谷出氏)

(図版作成=大橋昭一)
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