「7400万人が感染死」という予測も
なかでも気を付けなければならないのは、鳥インフルエンザのH5N1ウイルスやH7N9ウイルスの動向である。H5N1やH7N9のウイルスはいまの状態でも人に多くの人々に感染し、多数の死者を出している。やがて人から人へと次々と感染する新型インフルエンザウイルスに変異する危険性がある。
2017年9月末のWHOの発表によると、H5N1は鳥インフルエンザの状態で、この20年ほどの間に世界で約860人に感染し、このうち5割以上が死亡している。
WHOや厚生労働省の推計によれば、H5N1のような強毒の新型インフルエンザが発生すると、世界で7400万人が感染死する。日本国内でも17万人から64万人が命を落とすという。
新型インフルエンザにどう備えるか
パンデミック用ワクチンや抗ウイルス薬などは国や自治体が備蓄しているが、個人としては新型インフルエンザにどう備えたらいいのか。
重要なのは確かな情報を得ることである。厚生労働省や国立感染症研究所のホームページ、それに新聞各紙、NHKをはじめとするテレビ局の報道に日頃から注意しておくことだ。不確かな情報でパニックに陥ることは避けたい。とくに公の機関にはできる限り情報を早く出してほしい。
どこかの国で新型インフルエンザのような感染症が発生していないか。日本の養鶏場で新型に変異する危険性のある鳥インフルエンザが多発して大量のニワトリが死んでいないかどうか。そうしたことに絶えず関心を持ってニュースを見たり聞いたりするだけでも心構えができる。
そのうえで新型インフルエンザの発生している地域に立ち入らないことである。鳥インフルエンザでニワトリが次々と死んでいるような養鶏場にも近づいてはならない。感染の危険がある地域に入らなければならないときは、地元の自治体や専門機関などに相談してほしい。
(写真=iStock.com)