夏休み最終日、手つかずの宿題を片づけるため、驚くほどの集中力を発揮したことはないだろうか。そのメカニズムを、集中力に詳しい東京大学医学部卒のドクターに聞いた――。

最大の罠は「時間はまだある」

子どもの頃、夏休みの宿題を新学期直前までやらずに、青くなった経験はありませんか。親から「まだ終わってなかったの!? 早くやりなさい!」と尻を叩かれ、泣きながら最後の1日で仕上げたという人も少なくないでしょう。

医師能力開発コンサルタント 森田敏宏氏

なぜ夏休みの宿題を先延ばしにしてしまうのでしょうか。時間の制限があるとはいえ、夏休みは期間が非常に長いため、「パーキンソンの法則」の罠にはまってしまうからです。英国の歴史・政治学者のパーキンソンが「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて使い切るまで膨張する」と指摘したように、「夏休みが終わるまでに終わらせればいい」と、時間はあればあるだけ使ってしまうものなのです。