※本稿は井上裕之『なぜ、あの人の仕事はいつも早く終わるのか? 最高のパフォーマンスを発揮する「超・集中状態」』(きずな出版)を再編集したものです。
スキマ時間ごとに区切って考える
スキマ時間をうまく活用することをいつも考えましょう。
たとえば、メールの送信です。
私は診療と診療の間に時間ができると、よく院長室にこもり、メールを書いています。
たった数分で書いたメールから大きな仕事につながったケースもあります。
「セミナーの後の懇親会でお話しした例の件、その後いかがでしょうか」
そんなメールを送ってみると、
「ちょうど検討していたところです。近々、打ち合わせをしませんか」
といったメールが返ってきます。
私からのメールが、相手に「やってみよう」という気持ちを起こさせるきっかけになったのかもしれません。
そうだとするなら、スキマ時間にメールを送らなかったために、せっかく芽を開きはじめたチャンスがしぼんでしまうこともあるということです。
たった数分の間に、成功のチャンスが潜んでいるのです。
「ピリオダイゼーション」を駆使する
あらかじめ、スキマ時間にやるべきことを決めておきましょう。
いざ時間が空いたときに、「何をやろうか」と考えはじめたら、それだけで時間は過ぎてしまいます。ですから、「本を読む」「メールを書く」「資料をチェックする」など、やりたいことを明確に決めておくのです。すると、ほんのわずかの時間しかなくても、有効に活用することができます。
仕事を意図的に3分ずつに区切ることで成果を高める方法もあります。そのためには、まず仕事のプロセスを考えて、3分単位の作業ユニットに分解します。
そして、それぞれの作業ユニットに集中して取り組むのです。
こうした手法は、作業ごとにピリオドを打つという意味合いから「ピリオダイゼーション」というスキルとして、作業全体の効率向上にもつながることが科学的に証明されています。
スポーツの練習に当てはめて考えればわかりやすいでしょう。
長い時間だらだらと練習しても、ただ疲れるだけで効果はあらわれません。
それよりも、習得するスキルや戦略を明確化した3分の練習をいくつか考案して一つずつの練習に集中すれば、目標とするスキル向上を効率的に達成できるうえ、包括的な競技レベルも、だらだら練習していたときと比べて格段に向上します。