マンションでも、シェアハウスにしたり民泊の施設として貸し出すという方法があります。法整備も進んでいませんし、管理規約で民泊を禁止しているケースもありますので、正当にやらないとトラブルになりますが、初期費用をかけずにお金にしやすい方法だと思います。

では、都市部以外の不動産はどうか。1番困るのが、田舎の実家から相続した田畑ですね。一昔前ならソーラーパネルを設置して売電という手がありましたが、最近では下火です。タダで自治体などに寄付すると申し出ても、引き受けたがらないケースが増えています。この場合は農林水産省の農地集積バンクに貸したり売ったりするという方法があります。農地の課税が強化されているので、節税にもなります。

このように不動産を持っていれば継続的に収益を上げる方法はいくらでもあるのです。にもかかわらず、不要な不動産をそのままにしておくと、収益にならないどころか、リスクにもなるということも知っておいてほしいですね。固定資産税を払い続けなければならないだけでなく、誰かが勝手に住みついて周囲の治安が悪くなったり、火事を出す可能性もあります。

だから大手の不動産会社だけでなく、地元の不動産屋にも声をかけてみるといいと思います。「倉庫を欲しがっている商店が多いから、倉庫にしてみては?」といった情報が入る可能性もありますよ。

Answer:不動産は売ってしまう前に、活用法を考えよう

楯岡悟朗(たておか・ごろう)

世田谷区尾山台のきねや不動産取締役。2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を持つ不動産活用コンサルタント。著書に『ここで辞めたらただの負け犬!』(中経出版)がある。

 
(構成=宇野アキラ 撮影=北村泰弘)
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