時間を測ってルーティン・メモを作る

時間の使い方を意識するために、まずは起床時間と睡眠時間、食事の時間、出勤・退勤といったような、毎日やっているルーティン的なものを1週間ほどメモしてみましょう。

繰り返しになりますが、まだこの段階で、時間を節約しようと考える必要はありません。まずは自分の時間の使い方のクセを知ることが必要だからです。

慣れてきたら、時間の使い方に対するあなたの気持ちも一緒にメモしてみます。この就寝時間はちょっと無理があった、この時間に帰ることができると調子がいいみたいだといった具合です。

実は、この簡単な「ルーティン・メモ」をつけるだけで、時間の見方は変わってきます。

高い時間解像度で日常を見ることで、「ここで5分早く行動すると結果が違う」あるいは「残業は思ったほど効率がよくない」といったことが見えてくるからです。

時間を正確に意識すれば、時間は増やすことができるのです。

自分の黄金時間に最難関タスクを倒す

すべての時間は平等ではありません。

時間あたりの能率が非常に高い時間帯もあれば、何に手を付けても集中力がもたず中途半端になってしまう時間帯もあります。

そのため「今日は8時間あるので、8時間分の作業ができるはず」と考えるのは危険です。それではアクセルを全力で踏むべき時間にブレーキを踏み、上り坂になったあたりで速度を出そうとやっきになるようなものなのです。

多くの場合、十分な睡眠を取ったあとに目覚めて1~2時間たったあたりが集中力が最も発揮される時間帯です。作業によっては、たとえば数時間かけて簡単なプログラミングをしたあとで難しい部分にとりかかると、非常に高度な思考をラクにできるという人もいるでしょう。

この、極めて高い集中力が発揮できている時間帯は、数週間ほどかけて、カレンダーのなかにそれがいつだったのか、どんな条件下だったのかを記録しておきましょう。それがあなたの成果の大半を生み出す「黄金時間」なのです。

ある程度条件がわかってきたら、その黄金時間用のタスクを意識して準備しておきます。一番調子が良い時間に、一番難しいタスクを倒してしまうわけです。

欧米のライフハッカーにはこれをゲームになぞらえて、難しいタスクのことを「本日のドラゴン」と呼ぶ人もいます。「今日倒さないといけないドラゴンはこれだ」と把握した上で、自分が最も効率的にそれを倒せる時間を選んで、そこに集中投下するのです。

ドラゴンさえ倒せたなら、あとはすべて“雑魚”ですから、1日の成果を気にする必要はないのです。