豊かに生きるための仕事を探す
50代では、定年後の家計も視野に入る。夫が勤務する会社は60歳で定年、65歳まで雇用延長で働くことができる。定年以降の収入は400万円程度に減る見込みというが、夫婦2人なら十分暮らせる金額だろう。
問題はそのあとだが、夫は70歳頃まで働くことを希望している。とはいえ、高齢になっても今の仕事の延長線上で同じように働いてお金を「稼ぐ」のは体力的にも辛い。「楽しみながら収入を得る」という考え方に切り替えたい。私の母は経済的にはまったく必要なかったが、週に3日、給食センターで働いた時期がある。それまでの仕事を辞めて時間を持て余し、もともと好きだった料理の仕事を探したらしい。健康的だし、職場で違う世代の人たちと話をしたり、感謝されたりして、とても楽しい様子だった。それでお金がもらえるなんて素晴らしい。
リタイア後は年金が生活費の柱になり、足りない分を資産や退職金などで補うことになる。ここに賃金があればさらに上乗せができるが、賃金はあくまでプラスαとして多くの金額を望まず、豊かに生きるために働く、というくらいが望ましい。そのためには、楽しみながら社会に貢献できるスキルを身に付けておくこと。もちろん、賃金に多くを頼らずに済むよう、資産(老後資金)を準備しておく必要がある。夫は音楽関係が趣味という。楽器をマスターして教室を開く、というのも悪くない。