スランプの子供にかけるべき『逃げ恥』の名セリフ
たとえば、多くの受験生は9月になると、志望校の過去問(過去入試問題集)に取りかかる。入試問題の構成や各問題にあてる時間配分などに慣れていなかったり、夏に仕入れた膨大な知識がまだ頭の中で整理されていなかったりと、当初から過去問で合格ラインに達する成果を収める受験生などほとんどいない。
でも、真面目な子であればあるほど、「この夏あんなにがんばったのに、どうして合格ラインに全然届かないのだろう」と打ちのめされてしまうのだ。そういったことが積み重なった結果、「どうせ自分なんて病」を発症してしまうのである。
▼「そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい」
「どうせ自分なんて病」が一過性のものならよいが、それが長引いてしまうと、本当のスランプに陥ってしまうことがある。完全に自信を喪失してしまった結果、焦って問題を解いてしまってミスしたり、自分の出した解答が信じられず立ち止まってしまい、制限時間内に解き切れなかったり……。そして、散々な得点結果を見て、もっとひどい「ネガティブワード」が口をついて出てきてしまう。そんな悪循環にはまりこんでしまうのだ。
ネガティブワードは呪いのことばである。
それを発すれば発しただけ、自分の心がマイナス要素に支配されていく。そして、呪いのことばに自分自身ががんじがらめにされる、つまり「呪縛」にとらわれてしまうことになる。
昨年流行したテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系列)の最終回で、主人公・みくりの伯母である「百合ちゃん」が発したセリフは、そんな病にとりつかれた受験生へのメッセージとして秀逸だ。
「わたしたちの周りにはね、たくさんの呪いがあるの。あなたが感じているのも、そのひとつ。自分に呪いをかけないで。そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい」