基本的なマナーはもちろん大事です。けれど、目の前の相手に臨機応変に振る舞うことができないといけない。やはり相手を好きになることが大切でしょうね。営業マンの最終的な極意は「商品を売るのではなく、自分を売ることだ」とよく言われますが、まさにそのとおり。

営業マンはファッション、外見も大切です。勝負するときはスーツもシャツもピシッとクリーニングして、靴も磨いてキッチリと決める。すると、自然と前向きに臨めます。初対面は見た目の印象から入りますから、やはり第一印象は大事なのです。清潔感のある身なりというのは意識していました。

夏に白いコードレーンのスーツを着て行ったことがありました。汗まみれのダークスーツより、相手に爽快感を与えられると思ったからです。でも当時、そのような服は誰も着ない。勇気がいりました。でも、怒られなかった。営業成績が悪ければバッシングを受けていたと思います。やはり営業マンにとって数字がすべてだと痛感しましたね。

相手をよく観察し反応をイメージする

いま大学で「クリエーティブ力」をテーマに教鞭を執っています。授業で恋愛についてレポートを提出させると、最近の大学生は恋愛に消極的です。特に男子学生は恋愛をしていませんね。恋愛には、臨機応変さが求められます。相手を見て言葉を発し、反応を見て、これヤバいかなと慮って進めていく。とにかくフェイス・トゥ・フェイスで会話をすることが第一歩。そういう経験が今の若い人は苦手なのかもしれない。「恋愛をしよう!」と学生には常に言っています。恋愛は、仕事の励みにもなりますし、大切なモチベーションにもなる。

作品づくりでも大切にしているのは「観察」。学生たちにもクリエーティブ力の基本は観察と教えています。観察からイメージを膨らませる。

相手が何をいわんとするのか、今何を求めているのか、相手が幸せな笑顔になるイメージを描くのです。