管理職になっても、自ら現場に出て契約を取り続ける。いわゆるプレーイングマネジャー制は、本人が営業マンとしては優秀であっても、部下を動かすという、リーダーシップにおいて破綻をきたしやすい。

プレーイングマネジャーが抱える問題は3つに大別できる。まず、自分が現場に出るせいで、部下が育たない。一般的に、管理職は過去に実績を挙げた営業マンであることが多く、自分なりの営業手法は持っている。しかしなぜ売れたのか分析できておらず、自分個人の売り方しかわからない人が多い。そのため、せっかくの手法を伝授する方法は知らない。

2つ目はマネジメントが組織的に機能しないこと。日本の組織における営業管理職はチームの数字をフォローするだけで、予算達成のための数字の取りまとめ役でしかないことが多い。
要するに、管理職とは何かという役割が組織の中ではっきり決まっていないのだ。前任者がいなくなった、もしくは売り上げを上げている営業マンだからという理由で抜擢されただけで、組織として明確なプランがあるわけでも、役割があるわけでもない。

3つ目は、マネジャー自身の売り上げが下がることだ。当然ながら、管理職になると余分なことに時間をとられ、数字が上げられなくなる。そうなるとチームの数字責任を負っているので、焦ってもっと現場に出て契約を取ろうとする。するとマネジメントに割く時間が減るため部下が育たず、場合によっては辞めてしまったりして、ますます全体の売り上げが下がる。では、もっと自分が数字をとらなくては――。この悪循環が続いてゆき、いつか破綻するのだ。