どうやって食費を月5万円も削減したのか?

そこで、なんとか食費を下げるため、2つの案を提案しました。

ひとつは、現金主義にすること。現在はポイントを得る目的もあって、買い物はほとんどクレジットカードを利用していますが、支出の把握がしにくいので、暫定的な措置として現金払いに移行してもらうことにしました。

ふたつめは、1週間単位で支出を管理していくこと。1週間分の食費の予算を決め、その金額をLさんが決める曜日に財布に入れて、1週間やりくりしていきます。毎週同じ予算で管理するので、お金が出ていくスピードも意識しやすいものです。

いつもは週の半ばで半分くらい残金があるのに、今週は3000円しかないのなら、お金を使いすぎていると判断できます。1週間がたち、もしお金が残っていたらどこかにストックします。そして新たな1週間には、また決まった金額を入れてはじめます。赤字になってしまったときは、翌週から前借りします。前借りなので、翌週は減った金額でやりくりすることになります。

難しいのは予算決めです。締めすぎるとつらくなってしまいますし、ゆるすぎると意味がありません。そこで適正額を決めるために、4週間、食費と日用品の金額を記録します。その合計を4で割って1週間当たりの予算を決めます。

結局、Lさんのご家庭ははじめから支出が多かったこともあり、4人家族ではありますが、1週間当たりの予算を1万8000円としました。

▼食費を週1万8000円に決めると劇的変化が

すると、お金の使い方が劇的に変わったのです。好きなものを好きな時に食べていると、あっという間に財布のお金がなくなります。無計画な買い物が減り、買い物に行く回数も減りました。足りないものがあっても「工夫して食べる」ということができるようになりました。

4カ月ほど経過し、すっかり予算の中で支出が収まるようになり、食費の使い方や食事の内容も安定しました。集計してみると、食費は当初の11万9000円から6万8000円へ減り、日用品も1万4000円から8000円ほどに減っていたのです。

さらに、この週の予算管理を意識したお金の使い方は、そうではない費目の支出にも相乗効果を生み、多くの費目で1000~4000円ずつ削減することに成功しました。生命保険も保障内容を見直し、支出を削減できました。こうして、1カ月あたり7万4000円の支出削減を達成したのです。以前は毎月2万5000円の赤字家計でしたが、4万9000円の黒字家計へと転換したのです。