【田原】次に狙っている地域はどこですか。

【山川】地域は世界中ほぼカバーしているので、積極的に広げる予定はありません。いま強化しているのは、地域よりも商材。これまでは中古車やバイクとそのパーツだけでしたが、最近は携帯電話やスマホ、タブレットを売っています。その他、時計とかミシンも輸出し始めています。

【田原】車以外も売れるんだ。

【山川】コンゴではカシオのGショックがよく売れます。現地にも専門店はありますが、ニセモノが多いので、「ビィ・フォアードなら本物だろう」とわざわざ注文してくれるわけです。スマホも同じです。さっきアフリカで中国製品が好かれていないと言いましたが、ファーウェイのスマホは安いからよく売れます。ただ、それもうちに注文が入る。私たちはアマゾンで買って輸出しています。

【田原】へえ、アフリカの方はアマゾンで直接買わないんですか?

【山川】たとえばヨーロッパのアマゾンで注文すると、日本より距離は近いのに輸送費は逆に高くつく。だから私たちのサイトで買ってくれます。

【田原】どうして日本のほうが遠いのに輸送費が安くなるんですか。

【山川】私たちは車をコンテナで運びますが、コンテナは隙間があるのでほかにも荷物を詰められます。だから輸送費はタダのようなものです。いまモンゴルではオムツがよく売れています。オムツはかさばるので、オムツだけを運ぶと輸送費がかさんでしまいますが、コンテナの隙間に詰めて運べばコストがかからない。いまモンゴル行きのコンテナをあけるとオムツだらけです(笑)。

【田原】よく考えましたね。今後はさらに商材を増やして、コンテナの隙間にいろんなものを積んでいく?

【山川】私たちは新興国のアマゾンを目指しています。車に限らず、欲しいものがあったら、まずビィ・フォアードのサイトを見る。そういう存在になれたらいいなと。

【田原】アマゾンはアフリカを狙ってないんですか。

【山川】当然、狙っているはずです。ただ、アマゾンさんはまだ現地に物流網を持っていません。その点では、現地で3600人を雇って自前で運んでいる私たちにアドバンテージがある。その強みを活かして、いまのうちにブランドを確立したいです。

【田原】わかりました。頑張ってください。

山川さんから田原さんへの相談

Q.会社を急成長させるには何が必要ですか?

グーグルやフェイスブックなど、急成長した会社は例外なく時代の波に乗っかっています。ただ、同じ波が目の前で起きているのに、それに乗れる人と乗れない人がいます。年寄りは後者。既存の日本企業の業績がよくないのも、トップが50~60代だから。新しいものに対する感度が落ちているから、波が来ていても肌で理解できないんです。

変化をポジティブにとらえられるかどうかも大きい。今後AIは大きな波の一つになりますが、「シンギュラリティで雇用が奪われる」と悲観的にとらえる人はダメ。「AIでこんなことができるようになる」と、変化の明るい面に目を向けられる人が、新しい時代をつくっていくのではないでしょうか。

田原総一朗の遺言:変化の明るい面を見ろ!

(構成=村上 敬 撮影=枦木 功)
【関連記事】
仕事は条件ではなく"やりがい"で決める!
元演歌マネジャーが起こす「浮世絵革命」
打倒クックパッド!孫正義を目指す24歳
永守家の次男がつくる「AI搭載会話ロボ」
オタク文化輸出するTokyo Otaku Mode