会食セッティングの際に気をつけること

最後に、一緒に食事をする場合に気をつけるべきことを伺った。海外から来たエクスパットを食事に誘う場合は、どんな点に配慮したらいいのだろうか。宗教上の理由で食べられないもののほかに、アレルギーがある、生魚が苦手、ベジタリアンである、などいろいろなケースがあるはずだ。

「最初に『Are there anything you can’t eat?』(何か食べられないものはありますか?)と聞けばOKです。食事に連れて行く場所は、そのように聞いてから決めたほうがいいですね。これならすべてカバーできますし、どういう理由で何がNGなのか、相手も説明してくれます。

お店を選ぶときは、英語のメニューのある店に連れていったほうが、断然楽です! 日本語メニューだけだと、どんな料理かいちいち説明をしなくてはなりません。料理系の説明は、調理方法から材料の話まで幅広いので、普通のビジネス英語より意外と難易度が高いんですよ 」(河野氏)

『仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123』河野 木綿子著 すばる舎

確かに筆者も「ニラとは何か?」と聞かれ、説明に窮したことがある。英語のメニューがあり、外国語に通じたスタッフがいる店ならば、なおいいだろう。事前にリサーチしておきたいところだ。

お店選びについてはもう一つ。個室必須な商談などでなく、コミュニケーションを深めるのが目的であれば、「ちょっとにぎやかなところがいいかもしれません。あまり静かだと話題に困ることがあるけれど、お店の雰囲気がにぎやかなら紛れるでしょう?」というアドバイスもあった。

日本人が当たり前と思っていることでも、海外からやってきた人にとってはよく分からないこと、意味が分からないことはたくさんある。これから外国人上司を迎えようという人、外国人エグゼクティブとのコミュニケーションに悩んでいる人は、これらのアドバイスの中から1つでも実践してみるといいだろう。

参考:
外国人上司への“失礼”を避ける会話のコツ http://president.jp/articles/-/22785
河野木綿子 (こうの・ゆうこ)
仕事の英語パーソナルトレーナー。1960年生まれ。2000年ロンドン大学心理学部大学院卒。83年上智大学卒業後、西友入社、その後モルガンスタンレー、バクスター勤務を経てロンドンに留学。帰国後、2001年ファイザーにて人事部企画課長、採用課長、2009年シーメンスで採用・人材開発シニアマネージャーを兼任。2014年に独立後は管理職とビジネスオーナーの英語のビジネスコミュニケーション力開発を中心に活動。著書に『仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123』『読むだけでTOEIC(R)テストのスコアが200点上がる本』などがある。
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