多選制限は憲法に違反しない
ただ、自治体首長の多選禁止法案はこれまでにも国会に提出されてきましたが、いずれも廃案になっています。そのような経緯があるため、総務省と協議のうえ、「法による首長の多選制限は必ずしも憲法に違反しない」という専門家の見解を受けて条例化したのです。
なぜ法律ではなく条例で縛るのかといえば、ひとことで自治体といっても都道府県や政令指定都市のような大規模な自治体がある一方、人口数百人レベルで誰もが顔見知りというような村もあります。都道府県知事や政令市長は多選禁止をルール化すべきですが、小さな村ならほとんどの村民が村長と直接対話することもできますから、わざわざ多選禁止をルール化するまでもない。また、小さな村だと村長のなり手が少ないという事情もあります。そのため自治体独自の条例で対処するのが適当だと思っています。
松沢成文(まつざわ・しげふみ)
参議院議員
1958年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。松下政経塾3期生。神奈川県議会議員、衆議院議員、神奈川県知事(2期)を経て現在は参議院議員(神奈川県)。最近の著作に『始動!江戸城天守閣再建計画』(ワニブックスPLUS新書)がある。
参議院議員
1958年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。松下政経塾3期生。神奈川県議会議員、衆議院議員、神奈川県知事(2期)を経て現在は参議院議員(神奈川県)。最近の著作に『始動!江戸城天守閣再建計画』(ワニブックスPLUS新書)がある。
(聞き手・構成=プレジデント編集部・面澤淳市)