毎月10万円の住宅ローンがまだ15年も残っている
こうして、少しずつ切り詰めていくと月6万1000円の生活費を削減することができました。目標の12万円削減にはまだ届きませんが、約16%の削減に成功したことになります。私の経験上、家計簿に向き合い、見直そうと決意すれば、月数万円のコストカットは十分に可能です。
Kさん宅の懸念材料は、毎月10.2万円(ボーナス払いはなし)の住宅ローンの支払いが、あと約15年分残っていることでした。妻の収入だけになると、この負担は重くなります。しかし、調べてみると、Kさん宅の場合、夫が60歳になったとき約1500万円の退職金がもらえることがわかりました。
「企業型確定拠出年金」で掛け金を払っていたため、あと4年、60歳まで支払いを続ければ、定年前に退職していても退職金を受け取ることができます。家計からの支出(月々の掛け金)は増えてしまいますが、確定拠出年金は企業型から個人型(いわゆるiDeCo)に移し、継続していくことにしました。残った住宅ローンはその退職金で完済できそうです。
ただ、貯蓄は現在420万円で夫婦の年齢から考えるとやや少なく、心細いものがあります。家計のコストカットには成功しましたが、それでも妻であるKさんの収入だけでは毎月6万円の赤字。貯蓄を切り崩すしていくしかありません。そう考えると、年金がもらえるまでの期間はかなり厳しい家計状況になってしまうのです。
【家計コストカット額 ランキング】
1位:食費 −2.5万円
子どもがいないせいか、外食や中食が多くなっていたが、昔のように自炊することを多くした。
2位:水道光熱費 −8000円
日中仕事で不在がちな割に高額なため、使用の仕方に気を付けた。不在時の電気・エアコンのつけ放しに特に気を付けた。
3位:新聞代など −7000円
2紙取っていた新聞のうちの1紙解約、妻の髪染めを自分でやってみることに。
4位:通信費 −6000円
固定電話は持たないようにし、夫婦ともに格安スマホに。
5位:生命保険料 −5000円
過剰な保障部分の保険を一部解約した。
6位:生活日用品 −4000円
別に住む長男夫婦の孫(1)のための買いだめが多かったが、必要最低に。
7位:被服費 −3000円
クリーニング代がほとんどだが、可能な範囲で自分たちでアイロンがけなどするようになった。
7位:交際費 −3000円
夫の退職に向け、社内の人との交流がなくなり、妻の職場での付き合いのみになった。