2番目は何だろうかと読者が考えていると、ずばり「(2)厳しい批判や暴露的文書に対し、攻撃的な決めつけの言葉を浴びせて『印象操作』をする。安倍首相は論理的な思考が苦手なのか、すっかりこの言葉が気に入ったようで、相手からの批判をすぐに『印象操作』と決めつける」 

「ところが自らは、国会で質問者に『日教組!』とやじったり、東京都議選における秋葉原での街頭演説で、群衆の『帰れ、帰れ』の大合唱に対し『こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない』と叫んだりする。 

「『こんな人たち』と蔑視する言い方は印象操作ではないか。加計学園問題をめぐり、文科省の内部文書が報道された時、菅義偉官房長官が『怪文書』と決めつけたのも同様である」

この後、(3)批判的な質問に対しては、事実関係についてまともに答えず、一般論を述べてはぐらかす、(4)批判する相手を人格攻撃することで社会から排除し、批判を封じようとする、と続く。

沙鴎一歩の心も痛む安倍政権の愚かさ

今回の衆参両院の予算委員会閉会中審査は柳田氏の指摘することがそのまま露呈した。それにしても、歴代首相のなかでも新聞のコラムでここまで批判されることは珍しいと思う。

若いときはNHKで航空担当記者として活躍し、フリーになってからは医療を始めとする社会の問題に食い込んでいく。まさに現代の日本を代表するジャーナリストだ。そんな彼をしてここまで言わしめる安倍政権の愚かさが、この沙鴎一歩の心に痛い。

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