破綻から2年。「空の反逆児」と呼ばれたスカイマークが再生しつつある。新経営陣は金融出身のツートップ。会長はファンドの代表だ。しかし彼らは「カネ」より「ハート」の経営に挑むという。ある社員は「大手と違って、ひとつの会社の社員として、飛行機を飛ばすことができる」と答えた。子会社をもたない挑戦者の「全員野球」は功を奏すか――。経済ノンフィクション「企業の活路 スカイマーク」。前後編のうち前編をお届けする。
日本の航空市場に「価格」という選択を
東京・羽田空港に向かうモノレールの新整備場駅の一帯には、航空各社の格納庫が立ち並ぶ。4月初旬、航空各社はそれぞれの格納庫で入社式を行った。その1つ、スカイマークの新入社員は125人。全日本空輸(ANA)の約2800人、日本航空(JAL)の約1700人に比べるとケタはひとつ少ない。それでも役員のひとりはしみじみとこうつぶやいた。
「こんな日を迎えることになるとは、2年前には思いもよりませんでしたよ」
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