メガブランドの中でも目立つ「パルム」の伸び

【1位】「エッセルスーパーカップ」(明治)約220億円/発売年=1994年
【2位】「モナカジャンボ」シリーズ※(森永製菓)約150億円/発売年=1972年
【3位】「パルム」(森永乳業)約145億円/発売年=2005年
【4位】「ガリガリ君」(赤城乳業)約140億円/発売年=1981年
【5位】「ピノ」(森永乳業)約135億円/発売年=1976年
【6位】「パピコ」(江崎グリコ)約130億円/発売年=1974年
【番外】「ハーゲンダッツ」(ハーゲンダッツジャパン)約480億円(シリーズ全体)/日本発売年=1984年

※「モナカジャンボ」シリーズは「チョコモナカジャンボ」「バニラモナカジャンボ」の合計数値
(金額は業界誌「アイスクリームプレス」2015年度の推計)

注記にあるようにモナカジャンボは「シリーズ合計」なので、パルムは単品ブランドでは2位となる。対前年比は110%で、この数年、特に伸び幅が大きい。他のブランドの多くが発売30年~40年を数えるロングセラー商品なのに対して、バーアイスのパルムは発売12年。人間にたとえれば、アラサーやアラフォー世代に交じって、小学6年生か中学1年生が健闘していることになる。

なぜ、パルムは急激に成長したのだろうか。森永乳業でパルムのマーケティングを担当する宇田川史郎氏(同社冷菓事業部・冷菓マーケティンググループ・アシスタントマネージャー)はこう説明する。

パルムのマーケティングを担当する宇田川史郎氏

「パルムは一貫して『上質感』を訴求してきました。“チョコがけしたアイス”を掲げ、アイスとチョコが同時に溶けるのも消費者に支持されたと考えています。大半のチョコアイス系商品は、アイスが先に溶けてチョコが後から溶けます。海外のアイスはチョコがバリバリした商品も多い。でもパルムは最初から最後までバニラとチョコが一緒に溶けて楽しめる。日本人の舌は繊細で、年々それをご評価いただいていると思います」

宇田川氏は「発売初年度に比べて10倍の売上高になった」と説明する。ちなみに筆者が3年前に取材した際は「8倍」だった。その後、さらに拡大したのだ。