コンパクトシティ構想は政府主導で数年前から検討されていたが、2016年に「都市再生特別措置法」が改正され、立地適正化計画が創設されたことから、一気に現実味を帯びてきた。もちろん、簡単にできることではないので、数十年単位の長期計画となる。

立地適正化計画の落とし穴は、居住誘導区域ではない区域が、自治体からケアされなくなるということ。結果的に、荒廃してしまう恐れがある。

そんな場所に不動産を買うとどうなるかは、推して知るべしだ。近隣の公共施設などが居住誘導区域に移転し、近くのバス停にバスが通らなくなり、陸の孤島のように取り残されることも考えられる。

もちろん、資産価値の暴落は免れず、住宅ローンを支払い終えてから、二束三文で手放すことになりかねない。

立地適正化計画について、不動産会社に説明義務はない。自分から質問したり調べたりしないと、知らずに居住誘導区域外の不動産を買ってしまう可能性もある。

国土交通省のサイトでは立地適正化計画に着手している自治体の情報を閲覧できるので、不動産を買う前に確認を。

たとえば東京都では、17年1月時点では、日野市と福生市が取り組みを始めている。他の道府県では札幌市や仙台市など政令指定都市でも立地適正化計画を作成。国土交通省の公開資料によると、すでに全国289の自治体が着手している。

また、今は計画していなくても、いずれ計画する都市も出てくるはずだ。断言はできないものの、大きな駅の周辺で、公共施設がすでに密集しているエリアが指定される可能性が高い、と見ておいていいだろう。そのような場所の物件は価格が高い。しかし「安物買いの銭失い」にならないよう、多少割高でも好立地を選択したい。