一方、優越の錯覚を持てない人は、自分を極めて現実的に捉えるがゆえに、抑うつ的になるといわれます。

これはすなわち、自分の可能性を信じ、成功をイメージできる人であれば、確実にそこへ近づいていけるということです。今日ではプロ・アマチュアを問わず、スポーツ選手の多くがメンタルトレーニングを重視するようになりましたが、その理由の一つがここにあります。

思考のパターンによって、人は5つに分類されます(図1)。ご自身がどのタイプかを見定めてください。成功者と呼ばれる上位15%弱が「最強思考型」と「上昇思考型」。成りゆきまかせの「環境順応型」、目的意識を持てない「あきらめ型」が全体の80%以上を占め、最後の5%が“燃え尽き”た「投げやり型」です。

このうち「上昇思考型」を目指すセミナーは数多いのですが、私はあえて「最強思考型」を目指してほしいと考えています。

では、「最強思考型」とはどんな思考法で、「上昇思考型」とはどこが異なるのでしょうか。

私は、自身が構築した指導法をブレイントレーニングと呼び、従来のメンタルトレーニングと区別しています。メンタルトレーニングとは、その人の持てる能力を余さず発揮させるコンディションづくりです。ブレイントレーニングはこれに加え、その人の潜在意識に働きかけ、いまだ発現していない能力を引き出すプログラムを含んでいます。