Q. 不測の事態への対応力を身につけるにはどうしたらいいか。

「そもそも不測の事態と思うこと自体が間違い」と言うのは、同期トップで東レの取締役に就任、東レ経営研究所社長などを歴任した佐々木常夫氏。「ビジネスは予測のゲーム。常にあらゆるケースを予測して、予測の精度を高めるよう努める必要がある。真に不測の事態を減らしていくことが大切だ」と言う。

危機のときにも機転のきいた対応で事態を収束させるのがうまい人がいる。そうした人は、さまざまな予測を立てる中で、メーンシナリオのほかにも、いくつかの代替案を持っている。したがって、一度立てた計画やいったん下した決断にも、状況の変化に応じて柔軟に修正を加えていける。

それでも、まったく思いもよらない「不測の事態」に陥ってしまったらどうするか。ときに開き直り作戦も有効だ。もちろん破れかぶれという意味ではない。「因縁」という言葉に学ぼうと言うのは、リクルートを経て起業し、現在は組織人事コンサルタントとして活躍中の小倉広氏。「因縁」とはもともと仏教用語。物事の背景には、自分の働きかけによる「因」と、自分の努力や意思を超えた「縁」があり、ビジネスの文脈でも常にこの2つが働いているという。成功にしても失敗にしても、自分の力ではどうにもならない要素がある。不測の事態に陥った場合も、当然ながら挽回の努力は全力でするべきだが、「縁」を積極的に探し、それを活かそうとする姿勢も必要だ。

(大沢尚芳=撮影)
【関連記事】
人事部の告白「40代で終わる人、役員になれる人」
「グズ、後回し、大慌て」をやめる方法
デキる広報の「リスク対応力」は、怒声飛び交う訓練で鍛える
富裕層になれない人の9割は、「楽観バイアス」人生
ヒット商品を生み出す人は「変化対応力」を持っている