話し上手、PR上手、段取り上手で、イザというときの対応もバッチリ! 仕事ができる印象のある広報の皆さんが日々心がけていることとは? どの部署でも活かせる知恵満載です。

年に2、3回実施する「危機対応訓練」では、怒声が飛ぶんです
●全日本空輸 広報部 スーパーバイザー 横井鉄也さん

(左)全日本空輸 広報部 スーパーバイザー 横井鉄也さん(右)緊急時はいつ連絡が入るかわからない。いつでも対応できるよう、スマホは手放せない。

24時間、世界のどこかで当社の飛行機は飛んでいるので、リスクは常に意識しています。あってはならないことですが、万が一、インシデントが発生した際には、何時に電話がかかってきても、たとえ海外にいても、対応に向かわなければならないことは、広報部員になった時点で覚悟しています。

当社では年に2、3回、関連部署が一堂に会して緊急時を想定した訓練を行っています。これは刻一刻と状況が変わるなど、本番さながらの内容になっています。広報としては、いかに正確に、かつ迅速に情報を提供するかという訓練がメインです。例えば、お客さまの状況や社内の対応状況など、いろいろな部署から情報を素早く収集して取りまとめ、世の中に提供できるか、限られた時間内でシミュレートします。

訓練ではありますが、何分以内で情報を出すという具体的な目標時間が設けられているので、緊迫した空気のなか、「早く教えて!」「何やってるんだ!」といった本気の怒声が飛び交い、終わった後はくたくたになります。しかし、実際にはどんな状況が発生するかわからないので、一度訓練を経験したからといって、すぐに対応できるようにはなりません。こればかりは訓練し続けるしかありません。

危機対応のときこそ、いかに誠実に情報をお伝えできるかが広報にとって重要だと考えています。マスコミの方々から時には厳しい質問をいただきますが、我々の言いたいことを伝えてくださるのもまた、マスコミの方々しかいません。その先にいるのは、お客さまです。そう考えて、厳しい質問が飛んできても誠実に対応することを意識しています。