現場仕事が好きすぎるプレイングマネージャーたち

【丹羽】現状、マネジメント職についている人たちは、何人くらいいますか?

【山崎】約17名ですね。

【丹羽】その人たちが楽しく仕事をしていて、待遇も良さそうだぞ、となれば、下の人たちも頑張る? それとも「マネジメントの仕事は、いくらお金を積まれてもイヤだ」なのでしょうか。

【山崎】どうでしょう……。いくら積まれてもイヤ、という感じはありますね。弊社のサービスに魅力を感じて入社・転職してくる人が多いので、マネージャーたちも楽しく仕事はしているんです。働き方も自由ですし、他社との交流も積極的です。大企業のマネージャーみたいに苦しそうだ、だからやりたくないということはないはず。

ただ、いまお話ししたように、そのマネージャーたちも「マネジメント」が出来ているか、というと本来の意味では出来ていない。勤怠の管理とか、そういったことはもちろんやっていますが。

【丹羽】プレイングマネージャーで、「プレイ」の方が好き、という典型的なパターンですね。

【山崎】悩んでいる部下がいても、それより自分で手を動かすほうに熱心、という傾向があります。

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外から連れてきた人たちではなく、社内の人材を管理職にしたい

【丹羽】マネージャーの上の階層はどうですか?

【山崎】4人の本部長がいますが、現場からはおそらく「ちょっと遠い存在」と見えているはずです。そのすぐ上が役員になりますが、数字や人事の管理も重くなってきますし、憧れるような存在に見えていないように思います。

【丹羽】本部長のみなさんは、それを負担と感じていますか?

【山崎】彼らももともと専門分野を持つ技術者出身ですが、早い段階からマネジメントを任されていたので、さほど大変そうにはしていませんね。ちょっと余裕が生まれると、現場の作業に加わっていたりしますし。

【丹羽】そうすると、その人たちが本来は「ロールモデル」となるべき存在ですね。プレイしながらマネージできているわけですから。いつでも現場に戻れる、ああいうところを目指そう、となれば。

【山崎】うーん……。それが、本部長たちもさほど弊社での社歴が長いわけではないのです。最初からマネージャーとして入ってきた人たちだったりするので、ステップアップのプロセスをみせてきたわけではなくて。

【丹羽】なるほど。そうすると現場からは「僕たちの進む先にある存在ではない」、ちょっと違う人だと受け止められている可能性はありますね。

【山崎】そうですね。背中を見てきた人ではない、とも言えるかも知れません。どうすればそうなれるのかもわからないはずです。

【丹羽】なる気もあまりないし……。そうすると、直接現場の人たちと交わるマネージャークラスの人たちも外から採用するという選択肢はありませんか?

【山崎】うーん……、しかしそうしてしまうと、会社でずっと頑張ってきた人がステップアップをしようとしたときに、会社として報酬以外で示せるものがない、ということになってしまいます。それは会社としてはよくないと思うのです。

【丹羽】たしかに不健全ですね。

【山崎】創業社長から引き継いでいるスピリッツも含めて、ずっと培ってきた文化も含めて守っていかないと会社がおかしなことになってしまいますから。そこをドラスティックに変革しないと潰れてしまう、という状況でもありませんし。業績も堅調に推移していますし、逆にそれもあって、皆安心しているのかも知れませんが。

【丹羽】創業者はどんな方だったのですか?

【山崎】中小企業も含めて多くの人がITを家電のように使える会社を作りたい、という理念を持ってこの事業を始めています。