遊ぶことは大切です。それは、結果的に仕事におおいに役立つからです。斬新なアイデアや、先を見越したクリエーティブな発想の源にもなってきます。
そのためには、どんな遊びでも徹底してのめり込むこと。その分野で本が一冊書けるぐらいの意気込みで取り組むことが大切です。麻雀も徹底してやれば、ツキを逃さないためにはどう動けばいいかといったことを学べます。
また、人間には直感が与えられているということも知ることができるでしょう。情熱を絶やさずに目標に取り組み続けていると、蓄積されたものが、ある一定の量に達したとき、ヒラメキという女神が微笑んでくれることを体験的に理解できるのです。
ゴルフをする際は、私は究極の面白いルールをみずから考案して楽しんでいます。一例を挙げれば、麻雀のようにリーチ制を採り入れて、好きなときに一打の重みを増せる仕組みです。
遊びを、より面白くするために、精一杯知恵を絞る。より楽しむために、技を磨き創意工夫を心がける……そのことを長年続けてきました。人間の能力には大差がないはずです。あるのは、仕事でも遊びでも目標に対する情熱をどれだけ熱心に持続できるかの差だけです。
大脳生理学によれば、脳は鍛えれば鍛えるほど、シナプスと呼ばれる神経細胞がネットワーク化されて、創造力が発達するそうです。遊びを通じて得たたくさんの経験や知恵が、シナプスのように有機的に結びついて、結果的に仕事にも活きてくる。私はそう考え、また実感もしています。
課題への「集中」と情熱の「持続」。短い時間と長い時間を組み合わせることで、私はビジネスパーソンとしての人生をかたちづくってきたつもりです。
(小山唯史=構成 的野弘路=撮影)