会社成長のために違う血を入れる
オープンイノベーション、つまり、国内外のグループ企業の相互交流を深め、技術やノウハウも積極的に取り込んでいけばいい。例えばシリコンバレーのバイオベンチャーから技術を持ってきて、サントリーのノウハウと合わせて商品化することだってできる。
そうしたものを生み出していくために必要なのが、ダイバーシティ(多様性)です。違う血を入れて、異なるものを是とする受容力。ダイバーシティによって、イノベーションも生まれるのです。
国内企業でよく見受けられる純血主義は、世界に出た途端に競争力を弱めてしまいます。多くの日本企業では違う血を入れる免疫がない。それは佐治(信忠サントリー)会長も同じことを考えています。私が社長に起用されたのも、外から違う血を入れながら、免疫もつくり、グローバル企業になっていきたいという考えの表れなのです。
その意味で、私がサントリー社長として最初に手掛けたいことは、グループ企業間の人事を動かすことです。
20年に売上高4兆円を目指していますが、そのためにもっとも大切なことはPMI、つまりM&Aによる統合の効果をしっかり出すことなのです。
ビームサントリーなど買収した会社にいる、優秀な人材をいかに活用するか。外から採らなくても、海外の子会社に人材がたくさんいる。そういう人たちを例えばホールディングスに連れてきて、人材の流動性をつくっていく。事実、今CFOのもとに、ディピュティ(副)CFOを設けていますが、ビームサントリーから来てもらった人材です。こういう事例はどんどんつくっていこうと思っています。
また、サントリー本体からも海外の子会社に受け入れられるような人材をもっとつくらねばなりません。そして、海外でスピード昇進してもらう。国内の昇進は相当待つけれど、海外なら待たなくて済みます。そして海外でのチャレンジをもっと活発にしていきたい。