「今の職場では無理だ」とあきらめるのは早い。「仕事とは、本来、世の中を良きものに変えようとする営み。本業そのものに社会に貢献できる喜びがあることに気づいてほしい」と、シンクタンク・ソフィアバンク代表の田坂広志さんは力を込める。

「利益追求型の企業にも、日常の仕事のなかに『お客様の喜ぶ顔が見られた』と感じる瞬間があるはず。自分の仕事がどんな意味を持つのか、それを知ることで『働きがい』を感じることができるのです。週末に外でボランティア活動をするのも悪くありませんが、それを仕事の逃避にしてはいけない。目の前の小さなことでいいから、世の中を良い方向に変えていこうとする。そういう人たちが無数に増えれば、この社会は良くなる。社会貢献ブームは、そんな“職場の片隅から起こす社会変革”であるべきですね」