輸出に道を開いた認証取得

――最後に認証取得に関して伺います。農業生産工程管理の国内認証であるJGAPや、その世界認証であるグローバルGAPのほか、加工を行う場合にはISO認証(国際間取引をスムーズにするための規格)やHACCP認証(食品衛生管理の規格)なども関係してくると思います。認証取得には対外的なアピール効果もありますが、取得や維持にもコストがかかります。どのような考え方で認証取得に取り組んでいますか。

【澤浦】当社はいま、有機JAS認証と、ISO22000、FSSC22000(食品安全マネジメントの規格)、グローバルGAPを取得しています。

――国内規格のJGAPではなく、グローバルGAPを取得する企業は珍しいように思います。何か理由があるのでしょうか。

【澤浦】グローバルGAPは取引先からの取得要請があったこと、また世界に通じる認証だという理由で取得しました。

――有機JAS認証やISO22000などを取得して、メリットとして感じていることはありますか。
有機農法から生まれるこんにゃくが、野菜くらぶの代表的な商品だ。こんにゃく芋の栽培は父の代より手がけている。(提供:野菜くらぶ)

【軽部】有機JAS認証は、制度がスタートした2000年に取得しました。当社の最大の特徴である「有機栽培」を正式に打ち出せるようになったのは、大きなメリットだと感じています。また、有機JAS認証は、ヨーロッパやアメリカのオーガニック基準との相互認証が認められています。それによってヨーロッパやアメリカでも「有機」をアピールできること、加えてISO22000を取得したことで輸出につながりました。最近はヨーロッパへのしらたきの輸出が増えています。

有限責任監査法人トーマツ
有限責任監査法人トーマツは、日本におけるデロイト トウシュ トーマツ リミテッドのメンバーファームの一員である。監査、マネジメントコンサルティング、株式公開支援等を提供する、日本で最大級の会計事務所のひとつ。
農林水産業ビジネス推進室
農林水産業ビジネス推進室はトーマツ内の農業ビジネス専門家に加え、農業生産法人などの農業者、小売、外食、食品メーカー、金融機関、公官庁、大学他専門機関など外部組織と連携し、日本農業の強化・成長を実現するための新しい事業モデルの構築を推進している。詳細はWebサイト(https://www2.deloitte.com/jp/aff)参照。
(大和田悠一(有限責任監査法人トーマツ)=聞き手 前田はるみ=文・構成 尾崎三朗=撮影)
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