惰性を排除するため全事業に「終期」を設定

新しいことをはじめるとき、重要になるのはどんな点でしょうか。私は「メリハリ」をつけることだと思います。あらゆることに妥協なく取り組むのは、気持ちはよいですが、自分も、周囲もパンクしてしまいます。新しい挑戦には全力で取り組む。一方で、これまでの定型的な仕事は見直し、効率化する方法を考える。そうすれば最大の効果を発揮できるはずです。

1月25日に、都知事として初めて編成した予算案を発表しました。ここで心がけたことも「メリハリ」です。無駄は徹底して排除する一方、必要な施策には思い切って予算を配分しました。こうした私の発案に対し、都庁の若手職員が2つのキャラクターを描いてくれました。無駄の排除は羊の「メリーちゃん」、重点配分はハリネズミの「ハリーくん」がシンボルになっています。

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新キャラクターが「予算案」の説明資料に登場 1月25日、小池百合子東京都知事は、2017年度の予算案を発表した。その特徴は「メリハリをつけた予算」。このため説明資料の表紙には、羊の「メリーちゃん」とハリネズミの「ハリーくん」という2つのキャラクターが描かれた。都庁の若手職員がデザインしたという。

無駄の排除の「メリーちゃん」については、約4800ある東京都の全事業の総点検を行いました。その結果、各事業について「期限」が定められているのは全体の約2割で、それ以外の事業には特に期限が定められていませんでした。期限がない場合、見直しのきっかけがないため、惰性で続いてしまうこともありえます。このため、すべての事業に「終期」を設定し、事業評価を行う時期を明確化しました。

企業であればPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価・検証)、Action(改善)の「PDCAサイクル」を回すことは、もはや当たり前です。これを行政に置き換えるとPlan(予算)、Do(執行)、Check(決算・事業評価)、Action(予算編成)となります。今回の予算案では、こうしたPDCAサイクルを意識しました。その結果、各事業の見直しによって、過去最高となる720億円の財源を捻出することができました。