賢い親は子に絶妙な「きっかけ」を与える

我が子を「没頭する子供」に育てる親の特徴4
○子供が没頭する「きっかけ」を作っている

これまで15年間にわたり私が教師として見てきた数々の子供たちを考えてみます。没頭する子供の中には、全国レベルぐらいまで徹底的にその分野のことについて極めるケースもあります。その集中力やエネルギー量は、大人顔負けです。

そのように没頭している子供か親御さんには、大抵やり始めたきっかけを聞いています。

「きっかけ」を分類すると……。
A 親や兄弟、親戚がやっているのを見て子供本人がやりたがったから
B 親にすすめられたから
C 旅行など外に連れ出される中で興味をもったことだから
D テレビや漫画などで見て憧れたから
E 近所にたまたま教室やスクール、道場があったから

大体、こんなところになります。

A・B・Cはいずれも親が絡んでいます。Dは違いますが、この理由は多いです。ただし、ここは全国のどの子供も目にする機会があるもので、没頭する動機としてはやや弱めです。実際はDをきっかけにC(実際に見せに連れていってあげるなど)へ移行する、親による強化の行動が絡んでいることが多いようです。

Eの理由はありがちですが、実は大切な要素です。近所にあるというのは、送迎の必要がなく、親子共々負担が少ないので、続けるのにも有利です。「孟母三遷」の言葉に示されるように、親が教育の環境を整えることはとても重要な要因です。幼稚園入試や小学校入試が、親に熱を帯びさせる理由もここにあります。我が子の能力が伸びそうな環境を選べるのは、親だけだからです。

まとめると、没頭する子供になるには、親の与える「環境」が非常に重要だということです。