現在発売中の『プレジデントFamily2016冬号』の特集は毎回大好評の「算数」。泣く子も黙る算数のカリスマ先生に、「なぜ円周は直径に3.14を掛けるのか?」「なぜ分数同士の割り算は分母と分子をひっくり返すのか?」といった素朴な質問をぶつけた。目からウロコの簡潔明瞭な回答を読めば、算数・数学が苦手な親でもすぐ子供に教えられて鼻高々!

学習院初等科のカリスマ教師から算数オンチ編集者への出題

【問題】正2.5角形を描いてください

家族が集まる年末年始。みんなで、こんな算数の難問に挑戦してはいかがだろう? 正3角形でも正5角形でもない。正2.5角形だ。どうですか、描けますか?

この問題を出してくれたのは、いま発売中の『プレジデントFamily 冬号』の算数特集で取材した学習院初等科の大澤隆之教頭先生。「数字アレルギーの母子の素朴な疑問」と題したページで、超初歩的だが普遍的な問いの数々に本質を突いた回答をいただいたので是非お手にとってお読みください(参考記事:なぜ、円周率は3.14なのか http://president.jp/articles/-/20912)。

発売中の『プレジデントFamily2016冬号』。子供に算数を教えられないとお悩みの親御さんの「虎の巻」です。誌面には、東大・慶應大数学科の学生が小中学生時代に愛用していたブロックや対戦ゲームなども紹介。お正月休みに家族で遊べば、思考力・図形センスが伸びる!

ところで、数字アレルギーとは何を隠そう私のこと。算数オンチ自らの体当たり取材だったわけです。先生方のご協力のおかげで、多くの「素朴な疑問」は晴れた。だが、取材のあとに大澤教頭先生にお礼のメールをお送りした際、ふとこんなことを尋ねてみた。

「算数・数学が創造性を伸ばすって聞きますが、本当でしょうか?」

しばしば「算数・数学は思考の方法を教えてくれる」「クリエイティブな仕事をするために、算数・数学の考え方が助けになる」という話を取材先で耳にする。だが、根っから算数が苦手な私には、その意味が正直よくわからなかった。だから、聞いてみたのだ。公式のとおりに計算して答えを出すことの多い算数に、果たして思考や創造の余地があるのだろうか、と。

すると、大澤教頭先生から次のような返信が届いた。

「普通、正多角形は、『3以上の自然数の範囲で』というのが常識で、『○角形の○は辺の数』というのが、見えない心の枠です。これを取り払うと、思ってもみない創造ができます。算数や数学は、実は創造性を培う教科なんです」

そして、この文面とともに送られてきたのが冒頭の「正2.5角形」問題だった。

「○角形の○は辺の数」、確かに3角形の辺は3つ。5角形の辺は5つ。3も5も、「3以上の自然数」だ。2角形では形ができない、いうことだとわかる。でも、正2.5角形とは何ぞや? そもそも2.5って自然数ではないような気が……。あー、わけがわからない!