【9】手帳の機能や売れ筋アイテム、30年前とどこが違う?
ライフスタイルの変化やデジタル機器の普及により、手帳の機能もマイナーチェンジを遂げている。
「現在は月曜始まりが主流になっていますが、当時は日曜始まりの手帳が主流。まだ週休2日制が定着していなかったので、土曜日と日曜日の予定をまとめて管理する必要がなかったからです。また、30年前はアドレス帳が必須でした。当時は住所や電話番号を、自宅の住所録や手帳のアドレス帳で管理するのが主流でしたが、現在はその役割がPCやスマートフォンに移行しているようです」(日本能率協会)
「『見開き1カ月の予定表+メモページタイプ』の手帳がよく売れています。長期の予定の一覧性とメモ機能に優れた内容で、スマートフォンと併用しているユーザーも多いと思われます」(高橋書店)
【10】手帳のサイズ、30年前と違う?
サイズは大型化が主流になりつつある。「以前は、男性はスーツやワイシャツの胸ポケット、女性はハンドバッグなどに入る小型判がほとんどでしたが、現在ではA6、B6判とより大きなサイズが人気です。特に若い世代ほど大きいサイズを好む傾向があります。男性でも日常的に鞄を持ち歩くようになっていること、手帳に書く内容がスケジュールだけでなく多岐にわたっているためと推測されます」(高橋書店)。
【11】手帳のカバー、30年前とどこが違う?
手帳のデザインは、スタイリッシュな女性ものの台頭を筆頭に、個性化、多様化が進んだ。「以前は、ビジネスマン向けが主流で、女性向けのカジュアルなタイプはほとんど扱っていませんでした。男女雇用機会均等法が施行され、1990年代に入ると一気に女性向けの手帳が増えました」(日本能率協会)。
「昔の手帳といえば、黒や茶、女性用であれば赤などがほとんど。しかし、現在ではより明るい紺や青、オレンジやワイン色、さらにはチェックや花柄のカジュアルなものなど、カバーのバリエーションが豊富になっています」(高橋書店)
【12】“ユニーク手帳”の注目株はなにか。
ゴルフ、ワイン、ダイエット、投資など、ここ数年、趣味や目的に特化したユニーク手帳が人気を呼んでいる。「今年、特に注目されているのは、自分の予定だけでなく家族の予定も同時に書ける、お母さんのための『ファミリー手帳』です。夫の予定(出張や夕食の要不要など)、子どもの予定(学校行事や用意するもの、検診の予定など)を自分の予定と並列して書けるので、家族全員の予定が一目瞭然です。巻末には贈答の控えや記念日リスト、非常時への備えなど便利な付録もたくさん付いています」(高橋書店)。