法則(8)壁が見えたらラッキーと思う
人生を歩んでいく中で、誰もがどこかで「壁」にぶつかります。
そんなとき、今来た道を戻ったり、壁づたいに平行線上を歩いていく方法もあるでしょう。でも、それでは壁の向こうにどんな景色があるのか気になったまま、逃げ腰な自分に自己嫌悪感を抱いてしまうこともあるかもしれません。一方、壁に向かってどうすれば超えられるかをずっと考え続ける人、とりあえずよじのぼってみる人も。この場合、考えている途中、のぼっている途中で「この壁を超えることに何の意味があるんだろう?」という疑問が浮かび、挫折してしまうこともあるかもしれません。
いずれにしても、大切なのは「マインドセット」。壁に対して、自分がどんな心構え、姿勢で向き合うのかを考え、納得することが大切です。
「成長する喜び」に目を向けて「ラッキー」くらいに捉えてみる。そうすることで、壁を乗り越えるエネルギーが湧き、壁の向こうにあるチャンスをつかむことができるはずです。
実際、壁を乗り越えている女性たちは、どんな想いで向き合っているのでしょうか。
◆長谷川尚子さんの場合
「子どもの頃から父の仕事の都合で海外で暮らし、文化も生活習慣も異なる国を転々としてきました。その経験から、『新しい環境に飛び込むことは、大変でもあるけれど、必ずおもしろい発見がある』と学んだのです。思い切ってチャレンジしてみることで初めて見える風景、築ける人間関係があります。そのように自分が成長できるきっかけを逃すのはもったいない。新しく出会えるものへの期待と、それによって成長できる自分をイメージしてみれば、これまで壁だと感じていたものが、壁と感じなくなるかもしれません。とはいっても、やはり最初の一歩を踏み出しにくいこともあります。まず目の前にある比較的取り組みやすい壁にトライしてクリアし、自信を得た上で高い壁にチャレンジするのもいいでしょう」
◆甲斐貴子さんの場合
「十数年前になりますが、離婚後、看護師として働きながら1人で3歳と5歳の子を育てていた頃、原因不明の難病を患いました。死を間近に感じ、絶望感にとらわれていた時、知人から言われた『神様は、その人が乗り越えられない壁は与えない』という言葉が心にすっと入ってきました。それから、根拠がなくても『大丈夫』と信じることにしたんです。回復してからも、その言葉を胸に刻んでいます。ライフプランナーとして働く今は、常に壁を乗り越える感覚で自ら立てた目標を追っています。結果、大きな実績を挙げることができましたが、大胆な行動をとったわけでなく、目の前の目標にコツコツと取り組んできただけ。その積み重ねで、いつの間にか壁を越えている、という感覚です」
※本連載は書籍『人生でチャンスをつかむ女性の10の法則』(プルデンシャル生命 チーム「Make a Chance」著)からの抜粋です。