緑内障を早期発見するには、人間ドックで「眼底検査」と「眼底カメラ」を

人や物にぶつかりやすくなった、車をこすったり、ぶつけることが増えたと感じた方は、早めの検査をおすすめしますが、まだそのような自覚症状がない方こそ、定期的に検査を受けたほうがよさそうです。

受けておきたい検査は、瞳を広げて見る「眼底検査」と「眼底カメラ」です。眼底カメラは機械にあごを乗せて写真を1枚撮るだけという非常に簡単なもの。しかし、近年は自ら進んで検査を受けようとしない限り、緑内障発見の機会は減っているといいます。

「意識している方は眼底カメラ検査も人間ドックの項目に入れて受診されています。この眼底カメラ検査は、メタボ健診が始まる前までは健診項目に含まれていたため多くの方が受けていたのですが、メタボ健診が始まってからは基本項目に含まれなくなり10分の1以下の人しか受診しなくなってしまいました。人間ドックだと1000円程度プラスするだけなんですが、別項目であることが多いのと、そもそもそういう検査の存在を知らない方も多くて、よほどの大企業でないかぎり、ほとんど受けていないというのが現状です。受けていればほぼ緑内障かどうかはわかるので安心です。

昔はアナログテレビの砂嵐(ノイズ)を見ていて、ヘンだなと感じることがあったのですが、今は砂嵐を見る機会そのものがないですよね。アレルギーや老眼の検査で眼科を受診したところ、偶然見つかるというケースはありますが、やはり定期検査をおすすめします」

医者と患者で「視野」の意味が違う?

緑内障の受診に備えて知っておきたい言葉があります。「視野」というと何をイメージするでしょうか。一般的には“両目で見て見える範囲”を指すはずです。しかし、医者のいう「視野」は違います。“片目で目を動かさずに見える範囲”のことを意味します。

このため、医者は見えていないといい、自分では見えていると思う、という誤解が生じます。そのため医者に不信感を抱き、結果的に治療を遅らせてしまうこともあるそうなので、注意が必要です。

医者と患者とで「視野」が違う(『緑内障の最新治療』より引用)