使用済みトレーを回収、再利用するリサイクルシステム

もうひとつ同社がいち早く取り組んだのが、環境対策だ。かつてマクドナルドは自社商品を、1個ずつクラムシェルと呼ばれる発泡スチロール容器に入れて販売した時代があった。当時アメリカではクラムシェルのような発泡スチロール容器を製造する際はフロンガスを大量に使用しており、市民団体から批判された。これを受けてアメリカの容器メーカーはフロンガスを5%しか使わない新しい材料を開発し、その容器に置き換えることにした。ところが今度は路上に捨てられるゴミ問題でクラムシェル容器がバッシングされ、結局使用を中止するという経緯があった。

こうした海外の環境問題は必ず日本にもやってくると考えた同社は、国内で容器リサイクル法が施行される前の1980年代後半から主力商品である食品トレーの回収・リサイクル事業にいち早く着手した。

この事業はエフピコが独自の回収ネットワークを全国に構築し、使用済みのトレーを回収して再利用するという仕組みだ。スーパーマーケットなどの入り口で目にする使用済み容器の回収ボックスは、全国のおよそ8550拠点(2014年10月現在)にエフピコが主導して設置されたものだ。

回収された使用済みトレーを白トレーとカラートレーに分類して洗浄し、その後破砕して溶かして粒状に加工、これが再生用原料になる。通常の原料に再生用原料を加えて再び生産する製品を「エコトレー(再生トレー)」と呼び、同社の主力製品に育っている。

この一連の流れが「トレーtoトレー」と呼ばれる「エフピコ方式のリサイクル」システムだ。

ここで注目されるのは、同社のリサイクル工場では障がいのある人たちを社員として雇用し、就労してもらう取り組みを実践していることだ。東洋経済が毎年発表している『CSR企業総覧(2014年度の障害者雇用率の回答を基にした2016年版)』の障害者雇用率ランキングでエフピコは3年連続で1位を獲得し、障がい者雇用率は14.98%、雇用者数は369人となっている。

エフピコはエコトレーによるリサイクル事業によって原料の3割程度を補っており、原油価格が高騰してもエフピコの利益率を維持できるようになっている。

またエコトレーの採用は、取引先企業にも実はメリットがある。エコトレーは汎用トレーに比べると割高だが、ゴミになる場合に比べて二酸化炭素の削減効果があり、リサイクルへの取り組みを顧客にアピールできるためだ。

適正価格の容器を使った販促方法を提案

エフピコが扱う容器は大小合わせて約5000種類あり、小売業において容器代は商品売価の2%が1つの目安とされる。この基準を基に、容器代が売価の2%を下回っている商品を使用している取引先には、適正価格の容器を使った効果的な販促方法や、積み重ねができる容器によってスタッフの作業を軽減化する方法などを営業担当者が提案している。

この他にも自社製品を薄く軽量にすることにも取り組み、20年前は5グラムだったものが、現在は3.41グラムにまで軽量化され、店頭では同じスペースでもより多くのトレーを保管・陳列ができるように工夫されている。