「いつも自分は損ばかりしている気がする」そんな人は、ここに挙げるような行動をしている自覚はないだろうか?

「ポイント10倍」という言葉に弱い

ソーシャルゲーム(http://president.jp/articles/-/20253)と同じく、危険で興味深い仕組み満載なのが、クレジットカードのリボ払い。こちらも3つのワナが仕掛けられています。

まず「リボ払い」というネーミング。リボは立派な借金、しかも15%と高金利です。しかし、ただの支払い方法の一つだと思わせるネーミングで「認知バイアス」(心の錯覚)を起こさせています。

さらに支払方法にも仕掛けが。普通はクレジットカードを使うと翌月または翌々月に銀行口座から引き落とされるので、自分が使った額を実感します。しかしリボは毎月の支払額が5000円、1万円など一定。そのため、いくら使ったかわからず金銭感覚がマヒします。感覚で判断してしまう「ヒューリスティック」に陥らせているのです。

最後はダメ押し、特典で「選好の逆転」を起こさせます。これは、目先の利益に目を奪われ先のことが見えなくなり、結果的に不合理な選択をしてしまうこと。「リボ払いだとマイル2倍」、「ポイント10倍」など魅力的な特典を用意。

「そんなにポイントが貯まるのなら使ってみようか」とその気にさせるのです。

先日、リボ払いから抜け出せずに困っているという方の話を聞く機会があったのですが、なんと「毎月の返済額6万円、うち金利が5万8000円」とのこと。ということは、元金はどれほど膨れ上がっているのでしょうか……。いつのまにか多額の負債を抱えてしまう。これがリボ払いの恐ろしいところです。

大江英樹
1952年、大阪府生まれ。野村証券で個人資産運用、企業年金制度のコンサルティングなどを手掛ける。2012年、オフィス・リベルタスを設立。行動経済学の研究からその問題点や解決法に切り込む講演・セミナーが人気を博している。『その損の9割は避けられる』『老後貧乏は避けられる』など著書多数。
(中尾美香=構成)
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